ディオファントス方程式を3つの方法で解く
[mathjax]
中学1年生の定期テストで出された文章問題
ディオファントスの墓
ディオファントスの一生
いろんな言い方はされていますが・・・
まずは問題をみてみましょう
ディオファントスは一生の\(\frac{1}{6}\)を少年として、さらに一生の\(\frac{1}{12}\)を青年として過ごした。その後一生の\(\frac{1}{7}\)を過ぎて結婚し、\(5 \)年後に息子ができた。その子は父の半分しか生きられず、ディオファントスより\(4 \)年早く亡くなった。
ディオファントスは何歳のときに亡くなったか求めなさい。
さてこの問題どうやって解いていったらいいでしょう
あ!
問題とにらめっこしていても答えは浮かびませんよ
まずは手を動かして図を描いてみないと
こんな感じでしょうか
それでは問題の解き方を解説していきます
[outline]
1次方程式を利用して解く
まずは1次方程式を利用して解く方法です
ディオファントスが亡くなった年を\(x\)歳として方程式を作ると・・・
$$\frac{1}{6}x+\frac{1}{12}x+\frac{1}{7}x+5+\frac{1}{2}x+4=x$$
となります
分数を整数にするために
両辺に最小公倍数の\(84\)をかけましょう
合わせて読んで
$$14x+7x+12x+420+42x+336=84x$$
$$-9x=-756$$
$$x=84$$
ということでディオファントスは\(84\)歳で亡くなったことがわかります
別の解き方
実はもう1つ別の解き方があります
わかってしまえばこっちのほうが簡単・・・かもしれません
例えばディオ君が\(100\)歳まで生きたとします
このうち\(\frac{1}{5}\)を少年として・・・と言われたら
\(100×\frac{1}{5}=20\)
少年時代が\(20\)年であることがわかりますよね
そんなに長いわけないじゃん!というクレームはなしで・・・
では例えば\(99\)歳まで生きたとしたらどうでしょう
\(99×\frac{1}{5}=19.8\)
\(19.8\)歳?
そんなことはないですよね
年齢なんですから計算結果は必ず整数になるはずです
ということは
\(\frac{1}{6}\)でも、\(\frac{1}{12}\)でも、\(\frac{1}{7}\)でも、\(\frac{1}{2}\)でも
どの数をかけても整数になる必要がある
割り切れる必要があるはずです
そう考えればこれら数字の公倍数が答えになるとわかります
最小公倍数は\(84\)
その次は\(168\)ですが、常識的にこの歳まで生きたとは考えられないので
答えは\(84\)歳だとわかります
方程式を使わないで解く方法
もう1ついってみましょう
方程式を使わないやり方
小学生に教えるときはこれかなと
もう1度あの絵を・・・
まずディオファントスの一生を1とおきます
次に分数の部分を全部足します
$$\frac{1}{6}+\frac{1}{12}+\frac{1}{7}+\frac{1}{2}$$
$$=\frac{14}{84}+\frac{7}{84}+\frac{12}{84}+\frac{42}{84}=\frac{75}{84}$$
この答えを先程の\(1\)からひきます
$$1-\frac{75}{84}=\frac{9}{84}$$
この\(\frac{9}{84}\)は\(5+4=9\)年にあたることがわかりますね
(グラフの白い部分)
ここまで出たらあと少し
比で出してしまいましょう
$$\frac{9}{84}:9=1:x$$
$$x=84$$
答えは\(84\)歳になります